在仏50年以上の吉田進は、フランス音楽を熟知しているばかりではなく、これを生み出したフランスの歴史や社会にも詳しい。著作『ラ・マルセイエーズ物語・国歌の成立と変容』(中公新書)は、その良い例である。慶応義塾大学文学部では、非常勤講師として、講座「フランスの文化と歴史」を担当した。また、現地における最新の研究や情報にも、常に接しているという得難い利点を持っており、フランス音楽を語るのに、最も相応しい人間と言える。
A.フランス音楽史(クラシック)
中世から現代まで。ルネサンス以降は大作曲家を何人か選び、その生涯と作品を研究する。
例)ジャヌカン、ラモー、ゴセック、メユール、ベルリオーズ、オッフェンバック、
.......ビゼー、サティ、ドビュッシー、ラヴェル、メシアンなど。
ゴセック、メユールのような作曲家は、フランスでも革命200周年(1989年)を機に、再評価されるに至った音楽家である。 ドビュッシーは、仏デュラン楽譜出版社刊行の『ドビュッシー・ピアノ音楽全集』の解説文の翻訳を吉田進が行なった(ヤマハ・ミュージック・メディア発行)。メシアンは、吉田自身の師匠である。
B.シャンソン
シャンソンの名曲、名歌手を取り上げる。名曲はその成り立ちと、どのように歌い継がれて行ったかを、名歌手はその人生と芸術の関係を探る。
例)
「《枯葉》のすべて」
「《桜んぼの実る頃》秘話」
「エディット・ピアフ物語」
「バルバラ、<真夜中の女性歌手>」
「知られざるシャンソン歌手、ジャック・ブレル」 など。
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